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呼吸器

[公開日2018年3月14日]

像などの検査結果を専門スキルで読み解き、より適切な診断・治療を。

肺のアイコンと内科医長のきくちのりたか

内科は総合診療医・かかりつけ医として患者さん一人ひとりと丁寧に向き合い、必要に応じて専門医や診療科を割り振る道案内役を担っています。

その中で、苫小牧の地域医療のために医師として自分にできることは何か…、たくさんの方々に支えられて辿りついたのは「呼吸器専門診療もできる一般・総合内科医」として生きる道でした。

プライマリケア領域はもちろん、呼吸器専門領域においても適切な診断・治療を行っています。

ご存じですか? 「COPD」

タバコ、息切れ、咳のイラスト

慢性閉塞性肺疾患(COPD : chronic obstructive pulmonary disease)は、主にタバコの煙を吸入することによって生じた肺の炎症性疾患であり、喫煙習慣を背景に発症する生活習慣病とも言えます。

歩行時や階段昇降など、身体を動かした時に息切れを感じる労作時呼吸困難や慢性の咳や痰が特徴的な症状です。

大規模疫学調査研究では、日本人の40歳以上のCOPD有病率は8.6%、患者数は530万人と推定されています。

しかしながら2014年の厚生労働省調査によると、COPDと診断された患者数は約26万人。大多数の人々がCOPDであることに気が付いていない、あるいは正しく診断されていないことになります。2016年の厚生労働省の統計では、COPDによる死亡順位は男性で8位の結果でしたが、今後COPD死はさらに増加することが確実視されています。

肺機能検査機器

肺機能検査機器

「総合呼吸機能検査システム CHESTAC-8900D

COPDは、よくある症状であるため見過ごされてしまいがちですが、進行すると命に関わる呼吸不全や心不全につながります。 早期発見、早期治療が重要です。

当院ではCOPDの確定診断に必要な呼吸機能検査の実施と、その結果に応じた適切な治療を行っています。

また、禁煙外来を通じて禁煙をサポートしています。禁煙は高血圧や心血管、脳血管疾患などの予防の基本でもありますから、保険適用内での適切な薬などの提案のほか、禁煙治療の啓蒙活動も取り組んでいます。

肺がんの早期発見に努めています

検査機器

2016年の厚生労働省の統計では、日本人の死因第1位は悪性新生物(がん)と発表されています。全死亡者に占める割合は28.5%で、およそ3.5人に1人ががんで死亡している状況です。がんの部位別死亡数を見てみると、肺がんは男性で52,415人(1位)、女性で21,405人(2位)、男女合計では73,820人(1位)も亡くなっています。

 

肺がんが発見されるきっかけには、検診による場合、他疾患精査中に発見される場合、自覚症状(咳、血痰、息切れ、胸痛など)による場合があります。症状が出現するまでにはある程度の時間が経過しており、検診発見例に比べると進行例が多くなります。肺がん検診の推進や日常診療における定期検査により、早期発見に努めています。病理学的診断確定(気管支鏡検査など)や治療に関しては、苫小牧市内の基幹病院や勤医協中央病院(札幌)とも連携し、患者さんの病状やご希望に合わせて適切に相談・紹介させていただきます。呼吸器専門医が少ないエリアだからこそ、患者さんのためになる医療機関連携の仕組みをさらに整えるとともに、画像診断でも力を発揮できればと考えています。


 

説明をするきくちのりたか医長

じん肺・石綿(アスベスト)の健康診断を行っています

じん肺は、鉱物・金属・アーク溶接のヒュームなどの粉塵を吸入し続けることにより肺に生じた線維増殖性変化を主体とする疾病と定義されています。石綿(アスベスト)は極めて細い鉱物繊維で、建材(保温・断熱材など)や摩擦材(ブレーキライニングやブレーキパッドなど)などさまざまな工業製品に使用されてきましたが、その発がん性の高さから現在社会的問題となっています。

 

苫小牧には炭鉱の閉山に伴って転居した方が多いという地域性があり、当院でもこれまでじん肺・アスベストを指摘されないまま抱え続けてきたケースを見ています。2017年4月より当院は「健康管理手帳」によるじん肺・石綿の健康診断委託医療機関として、北海道労働局から指定医療機関とされました。都道府県労働局から「健康管理手帳」を交付された方は、当院で健康診断(年1~2回)を無料で受けることができます。じん肺・石綿健康管理手帳の申請や労災などに関わるご相談、健康診断のお問い合わせなども随時承っています。



内科医長菊地 憲孝 (きくち のりたか)

2001年、旭川医科大学卒業。
勤医協中央病院で2年間の初期研修を修了し、2006年、勤医協苫小牧病院着任。
2012年から勤医協中央病院呼吸器センター、神奈川県立がんセンター、北海道大学病院内科Ⅰで呼吸器専門研修を行い、2015年、勤医協苫小牧病院帰任。
2016年、日本呼吸器学会呼吸器専門医取得。